●京都生まれの京都育ちながら、今まで住んだのは左京区、伏見区、北区、右京区と、見事に中心のいわゆる「田の字」の地域を外れている。典型的な外来京都人である。家では京都弁を、外では標準語を話す。私立洛星中学・高等学校出身。
●京都大学工学部原子核工学科に入学するも、途中で「文転」して文学部フランス語フランス文学科を卒業し、同じ学科の修士課程に進学。博士課程の途中でフランス政府給費留学生としてパリ第4大学(昔のソルボンヌ大学)に留学する。指導教員はベルナール・ポティエ教授とアントワーヌ・キュリオリ教授。言語学の恐竜時代の最後で、よい先生に出会えた。留学は2年半に及ぶ。
●帰国してすぐ1980年に、幸運にも京都大学教養部にフランス語担当の助教授として採用される。その後、教養部は時代の荒波にもまれて、総合人間学部、人間・環境学研究科へと改組され、2017年3月に定年退職。現在は、立命館大学で授業担当講師、関西学院大学で非常勤講師を務め、フランス語、フランス語学、言語学などを教えている。
●私が学生の頃の文学部仏文科の主任教授は先日物故された中川久定先生である。そして中川先生の先生は桑原武夫だ。学問の世界では師筋を大事にする。その伝で言うなら、私は桑原武夫の孫弟子といいうことになる。もっとも習ったことも会ったことすらない。そんなつもりで始めた訳ではないが、私が短歌批評に手を染めるようになったのも、「第二芸術論」で俳句や短歌の世界に多大なご迷惑をかけた師のそのまた師の罪滅ぼしという意味もあるかもしれない。
●今までに次のような本を書いたり編んだりしている。
『ロワイヤル仏和中辞典』旺文社、共著、1995.
『プチロワイヤル仏和辞典』旺文社、共著、2003.
『独学の技術』ちくま新書、2002.
『打たれ強くなるための読書術』ちくま新書、2008.(絶版)
『新版 文化系研究必修生活術』ちくま学芸文庫、2009.
『ニュー・エクスプレス フランス語』白水社、2007.
『中級フランス語 あらわす文法』白水社、2011.
『フランス語学の最前線 vol.2 特集「時制」』ひつじ書房、共編著、2014.
『フランス語学の最前線 vol.4 特集「談話、テクスト、会話」』ひつじ書房、共編著、2016.